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外部事務長に 頼むといくらかかる? 費用・相場・選び方を解説

[2026.06.10]
クリニック経営
クリニックの外部事務長に
頼むといくらかかる?
費用・相場・選び方を解説
「雇うより安い」は本当か。正社員との徹底比較つき

「事務長を雇いたいけど、給与はいくらが相場なんだろう」「外部の事務長代行サービスって、実際いくらかかるの?」——開業して間もない院長や、スタッフ管理に限界を感じてきた院長から、よく相談を受ける質問です。

結論から言うと、外部事務長(事務長代行サービス)の費用は月額10万円〜30万円程度が一般的です。一方、正社員の事務長を雇った場合の年収相場は500万〜800万円。単純比較すると「外部の方が安い」ケースが大半ですが、何を任せるかによって選ぶべきサービスは変わります。

この記事では、費用の相場・正社員との比較・外部事務長を選ぶときのポイントまでを、実際にクリニックの外部事務長として働いてきた経験をもとに解説します。

📋 この記事でわかること
① そもそも「外部事務長」って何をしてくれるの?
② 外部事務長の費用相場(月額・タイプ別)
③ 正社員事務長を雇う場合の本当のコスト
④ 「外部」と「正社員」、どちらが得か——比較シミュレーション
⑤ 外部事務長を選ぶときに確認すべき3つのポイント
⑥ こんなクリニックには外部事務長が向いている

① そもそも「外部事務長」って何をしてくれるの?

外部事務長(事務長代行サービス)とは、クリニックに常勤スタッフとして雇うのではなく、外部の専門家・会社に事務長業務を委託するサービスです。「レンタル事務長」「事務長アウトソーシング」とも呼ばれます。

一般的に担ってもらえる業務は以下の通りです。

📊 経営・収益管理
👥 スタッフ採用・労務管理
🏥 施設基準・届出対応
📋 診療報酬改定への対応
🏛️ 行政・保健所対応
💻 Web・集患サポート
📝 各種契約・業者交渉
🔄 業務フロー改善
💡 「何でも屋」ではなく「経営の右腕」
外部事務長の最大の価値は、院長が診療に専念できる環境をつくることです。「スタッフのシフトが組めない」「届出の期限を把握できていない」「採用してもすぐ辞める」といった問題を、院長の代わりに解決していく存在です。

② 外部事務長の費用相場(月額・タイプ別)

外部事務長の費用は、サービスの形態・訪問頻度・業務範囲によって大きく異なります。市場全体の相場を整理すると、おおよそ以下の3タイプに分かれます。

タイプ 月額費用の目安 主な特徴
オンライン特化型 10万〜15万円 訪問なし・リモートで対応。経理・書類作成・メール対応などが中心
訪問型(月数回) 15万〜30万円 月2〜4回の訪問+リモート対応。採用・スタッフ面談・届出まで対応可
常駐・高関与型 30万〜80万円以上 週複数回〜ほぼ常駐。経営参謀として全般を担う。大規模クリニック向け
⚠️ 「初期費用」に注意
多くのサービスで、月額とは別に初期費用(導入費用)として5万〜15万円程度が発生します。契約前に必ず確認しましょう。また、訪問型は交通費が別途かかる場合もあります。
💡 多くのクリニックにとっての現実的な選択肢
スタッフ5〜10人規模の一般的な診療所であれば、月額15万〜25万円の訪問型が最もニーズに合うケースが多いです。「何でも相談できる人が月に数回来てくれる」という形が、院長の安心感と費用のバランス上、選ばれやすい形態です。

③ 正社員事務長を雇う場合の「本当のコスト」

「やっぱり正社員を雇った方が安心では」と思う院長も多いでしょう。ただし、正社員を雇う場合の「本当のコスト」は給与だけではありません。

正社員事務長の年収相場
求人情報サイト・業界調査によると:
小規模クリニック(スタッフ〜10人):年収 500万〜600万円
中規模クリニック(スタッフ10〜20人):年収 600万〜800万円
大規模・医療法人:年収 800万〜1,000万円以上

さらに給与に加えて発生するコストがあります。

コスト項目 内容・目安
社会保険料(法定福利費) 給与の約15%。年収600万円なら年間約90万円の追加負担
採用コスト 求人広告・エージェント費用。50万〜100万円以上かかることも
育成・教育コスト 一人前になるまでの期間(3〜6か月)の生産性ロス
退職リスク 辞めた瞬間にノウハウが消える。再採用コストも発生
「当たり外れ」リスク 能力が期待を下回っても、すぐに解雇できない
💡 実質的な総コストで比較すると
年収600万円の事務長を雇った場合、社会保険料を含めるとクリニック側の実負担は年間約690万円(月額約57万円)になります。外部事務長の月額15〜25万円と比べると、コストの差は明らかです。

④「外部」と「正社員」、どちらが得か——比較シミュレーション
  外部事務長
(訪問型・月20万円)
正社員事務長
(年収600万円)
月額コスト目安 約20万円 約57万円
(社保込み)
年間コスト目安 約240万円 約690万円
採用・育成コスト 初期費用のみ 50万〜100万円以上
退職リスク 低い(契約継続) あり(ノウハウ流出)
即戦力性 高い(専門家が担当) 育成期間が必要
契約の柔軟性 高い(内容変更しやすい) 低い(解雇が難しい)
院内への密着度 やや低め 高い
💡 コストだけで決めるのは危険
「外部の方が安い」は確かですが、日常的な院内コミュニケーションが重要な業務(スタッフとの関係構築・急なトラブル対応など)は正社員の方が動きやすい面もあります。「何を任せたいか」を明確にしてから選ぶことが大切です。

⑤ 外部事務長を選ぶときに確認すべき3つのポイント
ポイント① 診療報酬・施設基準に詳しいか
外部事務長が担う業務の中で、クリニック特有かつ最も専門性が問われるのが診療報酬対応です。「加算の届出を任せたら、そもそも要件を理解していなかった」というケースは実際に起こります。施設基準の届出・算定漏れチェック・改定への対応実績を具体的に確認しましょう。
ポイント② 担当者が固定されているか
サービス会社によっては、担当者がころころ変わることがあります。事務長業務はクリニックの「歴史」を知っていることが価値の源泉です。同じ担当者が継続して関わる体制かどうかを確認してください。
ポイント③ 「何でもできる」ではなく「得意領域が明確」か
「集患・Web・採用・診療報酬・経理・労務すべて対応します」と謳うサービスは多いですが、実態は何かに偏っているケースがほとんどです。自院が今一番困っていること(採用なのか、診療報酬なのか、経営管理なのか)と、サービスの得意領域が合致しているかを見極めることが大切です。

⑥ こんなクリニックには外部事務長が向いている

すべてのクリニックに外部事務長が最適というわけではありません。特に以下のようなクリニックには、外部事務長が有効です。

開業3年以内のクリニック——まだ経営が軌道に乗っておらず、正社員を雇う余裕はないが、院長一人では手が回らない時期
スタッフ5〜15人規模——管理業務が増えてきたが、専任事務長を雇うほどの規模でもない
診療報酬改定のたびに不安になる——「届出を見落としていないか」「算定漏れがないか」を毎回自分で調べるのが負担
採用・人材定着に悩んでいる——スタッフがすぐ辞める、面接をする時間がない
院長が事務仕事に追われて診療に集中できない——本来やるべき医療に時間が使えていない
⚠️ こんな場合は正社員の方が向いているかも
スタッフ20人以上・複数診療科・医療法人で分院があるなど、院内での日常的な調整が毎日発生する規模になると、外部事務長では対応が難しい場面が出てきます。この場合は正社員採用か、外部事務長と内部スタッフの組み合わせが現実的です。

まとめ
1
外部事務長の費用相場は月額10万〜30万円。正社員の実質コスト(月57万円〜)と比べると、コスト面での優位性は明らか
2
選ぶポイントは「診療報酬に詳しいか」「担当者が固定されるか」「自院の課題と得意領域が合っているか」の3点
3
開業3年以内・スタッフ5〜15人・診療報酬対応に不安があるクリニックは、外部事務長の導入を検討する価値が大きい

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著者
大久保 直博
株式会社C&D Hub 代表取締役社長
クリニック・歯科医院への外部事務長サービスを展開。診療報酬改定への実務対応から採用・経営改善まで、院長の右腕として多くの医療機関を支援している。
※本記事に記載の費用・相場はあくまで市場の目安であり、個々のサービス内容・契約条件によって異なります。導入前に各サービスへの個別見積もりをご確認ください。
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