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外来データ提出加算が消えた?令和8年改定で「充実管理加算」に変わった理由と実務対応を解説

[2026.05.18]
令和8年(2026年)診療報酬改定 解説
外来データ提出加算が消えた?
令和8年改定で「充実管理加算」に
変わった理由と実務対応を解説
名称変更・点数変更・手続きの流れまで、院長先生にわかりやすくお伝えします
この記事を読む前に:診療報酬の制度はとにかく複雑です。この記事では、「中学生でも理解できる」ことを最優先にしています。そのため、厳密には95%程度の正確さで書いている部分があります。実際の届出にあたっては、必ず一次情報(厚生労働省の通知等)や管轄の厚生局に確認されることをお勧めします。

「外来データ提出加算って、届け出てたはずなのに……何か変わったの?」

令和8年(2026年)6月から、実はこの加算の名前も点数も仕組みも、ガラッと変わっています。

しかも厄介なのが、「外来データ提出加算」という名称が、改定前と改定後で全く別の加算を指すようになったという点です。名前が同じでも別物——これが全国のクリニックで混乱を生んでいます。

この記事では、この「名前が同じで別物になった加算」の話を、なるべく難しい言葉を使わずにお伝えします。読み終わるころには「うちは何をすればいいか」がスッキリ見えるはずです。

📋 この記事でわかること
① そもそも「外来データ提出加算」って何だったの?
② 令和8年6月から何がどう変わったか(超シンプルに比較)
③ 新しい「充実管理加算」の点数と区分
④ 算定するまでの手続きの流れ
⑤ まとめ・今すぐやること
① そもそも「外来データ提出加算」って何だったの?

まずは「そもそも何の話?」というところから整理しましょう。

糖尿病・高血圧・脂質異常症などを治療しているクリニックでは、「生活習慣病管理料」という診療報酬が算定できます。これは、患者さんに療養計画書を作って丁寧に管理指導を行う体制を評価したものです。

その生活習慣病管理料に、令和8年5月まで上乗せで算定できたのが「外来データ提出加算(50点)」でした。

簡単に言うと、「患者さんのデータを国にきちんと報告してくれているクリニックに、月1回50点を上乗せしますよ」という仕組みです。

この加算を算定するためには、まず「様式7の10」という書類を厚生局に出し、その後2か月分の試行データを国に送り、合格通知が来たら「様式7の11」を出す、という手順が必要でした。この流れは令和8年改定後も変わっていません(詳しくは④で解説します)。

② 令和8年6月から何がどう変わったか

ここが今回の最大のポイントです。令和8年6月から、「外来データ提出加算」という名前が、別のものを指すようになりました。

整理するとこうなります。

📊 改定前後の比較
【改定前(令和8年5月まで)】
外来データ提出加算(50点
↳ 生活習慣病管理料に付随
↓ 令和8年6月〜
【改定後(令和8年6月〜)】2種類に分かれた
① 充実管理加算(新名称)
10〜30点・生活習慣病管理料に付随
※旧・外来データ提出加算の後継
② 外来データ提出加算(新設・別物)
10点・地域包括診療加算に付随
※全く新しい加算。地域包括診療加算の届出が前提
⚠️ 重要:①と②は同時に算定できません。また、「外来データ提出加算」という名前が改定前後で別のものを指すようになっているため、混乱が生じやすい点に注意が必要です。

大多数のクリニックに関係するのは①の充実管理加算です。生活習慣病管理料を算定しているクリニックが対象で、次の③で詳しく説明します。

③ 充実管理加算の点数と区分——経過措置も要チェック

充実管理加算は、データ提出の「実績」によって3段階に分かれています。

充実管理加算1 30点
参加医療機関の中で上位20%のデータ提出実績がある場合
充実管理加算2 20点
参加医療機関の中で上位50%のデータ提出実績がある場合
充実管理加算3 10点
データ提出の実績がある(上記以外)

旧制度の50点と比べると点数が下がっていますが、これはデータ提出の「質」に応じて差をつける仕組みに変わったためです。

✅ 経過措置——「すでに届け出ていた」クリニックは要確認

令和8年3月31日の時点で、旧・外来データ提出加算をすでに届け出ていたクリニックについては、令和9年3月31日までの間、充実管理加算1(30点)を算定できる経過措置があります。

つまり「以前から届け出ていたクリニック」は、すぐに実績上位20%でなくても、1年間は最高点数の30点を算定できる——ということです。

⚠️ ただし試行データの提出に失敗していた場合は、この経過措置の対象外になる可能性があります。自院の状況を確認してください。
④ 算定するまでの手続きの流れ

充実管理加算を算定するには、旧・外来データ提出加算と同様に4つのステップを踏む必要があります。

1
様式7の10を地方厚生局に提出
年4回の締切があります(5月20日・8月20日・11月20日・2月22日)。5月20日が今年の最初の締切で、ここで提出できると最短ルートになります。提出先は自院が所在する都道府県を管轄する地方厚生局に郵送です。
2
試行データを2か月分作成・提出
生活習慣病管理料を算定した患者のデータを、国(厚生労働省)が指定する形式で提出します。このデータの提出が「合否」を左右します。電子カルテベンダーに確認しながら進めるのが現実的です。
3
厚生労働省から合格通知(事務連絡)が届く
試行データが適切と認められると、厚生労働省保険局医療課から事務連絡(メール)が届きます。この通知が来るまでは次のステップに進めません。
4
様式7の11を提出 → 算定開始
合格通知を受け取ったら様式7の11を地方厚生局に提出し、翌月から充実管理加算が算定できるようになります。
📅 5月20日に様式7の10を提出した場合のスケジュール例
5月20日 → 様式7の10 提出
6月〜7月 → 試行データ提出(2か月分)
8月〜9月頃 → 合格通知を受領
9月末まで → 様式7の11 提出
10月〜 → 充実管理加算 算定開始(最短)

なお、様式7の10・7の11の提出先は所在地を管轄する地方厚生局です。例えば東京都内のクリニックは、関東信越厚生局 東京事務所(〒163-1111 東京都新宿区西新宿6-22-1 新宿スクエアタワー11階)に郵送します。

📎 厚生労働省の公式情報はこちら:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html
⑤ まとめ・今すぐやること

最後に、この記事の内容を一言でまとめます。

✅ 旧・外来データ提出加算(50点)は廃止。後継が充実管理加算(10〜30点)
✅ 充実管理加算を取るには様式7の10 → 試行データ → 様式7の11の手順が必要
✅ 旧加算をすでに届け出ていたクリニックは令和9年3月まで加算1(30点)の経過措置あり
✅ 「外来データ提出加算(10点)」という別の新加算もあるが、地域包括診療加算が前提の別物
✅ 5月20日に様式7の10を提出すれば最短で令和8年10月から算定開始可能

「以前に届け出たから大丈夫」と思っていると、知らないうちに取りこぼしが出ることがあります。制度の名称変更で気づかないまま手続きが遅れるケースも実際に起きています。

自院の状況——「旧加算を届け出ていたか」「試行データの提出は成功していたか」——を今一度確認されることをお勧めします。

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著者
株式会社C&D Hub 代表取締役社長
大久保 直博
医療機関向け外部事務長サービスを展開。診療報酬改定対応・施設基準届出・クリニック経営支援を専門とし、千葉・東京エリアを中心に複数のクリニックをサポートしている。「一次情報に基づいた正確な情報提供」と「院長先生がわかる言葉で伝える」ことを信条としている。
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