外来データ提出加算が消えた?令和8年改定で「充実管理加算」に変わった理由と実務対応を解説
令和8年改定で「充実管理加算」に
変わった理由と実務対応を解説
「外来データ提出加算って、届け出てたはずなのに……何か変わったの?」
令和8年(2026年)6月から、実はこの加算の名前も点数も仕組みも、ガラッと変わっています。
しかも厄介なのが、「外来データ提出加算」という名称が、改定前と改定後で全く別の加算を指すようになったという点です。名前が同じでも別物——これが全国のクリニックで混乱を生んでいます。
この記事では、この「名前が同じで別物になった加算」の話を、なるべく難しい言葉を使わずにお伝えします。読み終わるころには「うちは何をすればいいか」がスッキリ見えるはずです。
② 令和8年6月から何がどう変わったか(超シンプルに比較)
③ 新しい「充実管理加算」の点数と区分
④ 算定するまでの手続きの流れ
⑤ まとめ・今すぐやること
まずは「そもそも何の話?」というところから整理しましょう。
糖尿病・高血圧・脂質異常症などを治療しているクリニックでは、「生活習慣病管理料」という診療報酬が算定できます。これは、患者さんに療養計画書を作って丁寧に管理指導を行う体制を評価したものです。
その生活習慣病管理料に、令和8年5月まで上乗せで算定できたのが「外来データ提出加算(50点)」でした。
簡単に言うと、「患者さんのデータを国にきちんと報告してくれているクリニックに、月1回50点を上乗せしますよ」という仕組みです。
この加算を算定するためには、まず「様式7の10」という書類を厚生局に出し、その後2か月分の試行データを国に送り、合格通知が来たら「様式7の11」を出す、という手順が必要でした。この流れは令和8年改定後も変わっていません(詳しくは④で解説します)。
ここが今回の最大のポイントです。令和8年6月から、「外来データ提出加算」という名前が、別のものを指すようになりました。
整理するとこうなります。
↳ 生活習慣病管理料に付随
10〜30点・生活習慣病管理料に付随
※旧・外来データ提出加算の後継
10点・地域包括診療加算に付随
※全く新しい加算。地域包括診療加算の届出が前提
大多数のクリニックに関係するのは①の充実管理加算です。生活習慣病管理料を算定しているクリニックが対象で、次の③で詳しく説明します。
充実管理加算は、データ提出の「実績」によって3段階に分かれています。
旧制度の50点と比べると点数が下がっていますが、これはデータ提出の「質」に応じて差をつける仕組みに変わったためです。
令和8年3月31日の時点で、旧・外来データ提出加算をすでに届け出ていたクリニックについては、令和9年3月31日までの間、充実管理加算1(30点)を算定できる経過措置があります。
つまり「以前から届け出ていたクリニック」は、すぐに実績上位20%でなくても、1年間は最高点数の30点を算定できる——ということです。
充実管理加算を算定するには、旧・外来データ提出加算と同様に4つのステップを踏む必要があります。
6月〜7月 → 試行データ提出(2か月分)
8月〜9月頃 → 合格通知を受領
9月末まで → 様式7の11 提出
10月〜 → 充実管理加算 算定開始(最短)
なお、様式7の10・7の11の提出先は所在地を管轄する地方厚生局です。例えば東京都内のクリニックは、関東信越厚生局 東京事務所(〒163-1111 東京都新宿区西新宿6-22-1 新宿スクエアタワー11階)に郵送します。
最後に、この記事の内容を一言でまとめます。
✅ 充実管理加算を取るには様式7の10 → 試行データ → 様式7の11の手順が必要
✅ 旧加算をすでに届け出ていたクリニックは令和9年3月まで加算1(30点)の経過措置あり
✅ 「外来データ提出加算(10点)」という別の新加算もあるが、地域包括診療加算が前提の別物
✅ 5月20日に様式7の10を提出すれば最短で令和8年10月から算定開始可能
「以前に届け出たから大丈夫」と思っていると、知らないうちに取りこぼしが出ることがあります。制度の名称変更で気づかないまま手続きが遅れるケースも実際に起きています。
自院の状況——「旧加算を届け出ていたか」「試行データの提出は成功していたか」——を今一度確認されることをお勧めします。
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大久保 直博
